離婚裁判を有利に進めるために。キホンの流れを抑えよう

離婚裁判が始まってしまうと、終わるまで精神的にも経済的にも大きな負担を強いられるため、覚悟して臨まなければなりません。
いざ裁判となると様々な書類を揃えなければならず、素人ではわからない部分も出てくるため、弁護士への依頼も検討する必要があります。
まずは、離婚裁判の流れを把握して、早めに準備を行いましょう。

事前に調停をしておく

離婚したいからといって、いきなり裁判ができるわけではありません。事前に協議離婚や調停離婚をした上で、それでも話がまとまらなかった場合に限り、最終手段として裁判が行われます。事前に調停をしておかないと、離婚裁判を起こすことはできないので注意しましょう。

日本で離婚裁判が行われる確率は非常に低く、いざ裁判となるとお互い想像以上の負担を強いられることになるため、できれば避けたいところです。どうしても離婚裁判を避けられないのであれば、その時は弁護士の力を借りながら手続きを進めていきましょう。弁護士に依頼しなくても訴訟はできますが、素人が裁判に勝つためには相当な労力が必要になるので、弁護士をつけるのが無難です。

離婚裁判を起こすにあたって、以下のものが必要になります。

  • 訴状や夫婦の戸籍謄本
  • 夫婦関係調整事件不成立調書
  • 収入印紙代13,000円
  • 郵便切手約7,000円分

早めに準備しておきましょう。

離婚訴訟の申立をする

離婚裁判を行うためにはまず、家庭裁判所に離婚訴訟の申立をする必要があります。この際、養育費や慰謝料、親権者の指定や財産分与などの請求を行うこともできます。離婚裁判を行う家庭裁判所は、自分の住所地を管轄する家庭裁判所、もしくは相手の住所地を管轄する家庭裁判所のどちら一方となります。

離婚裁判を少しでも有利に進めたいなら、早めに弁護士を探しておきましょう。訴状の作成は法律の専門知識が必要になるため、素人が行うのは困難です。相手がすでに弁護士をつけていると不利な立場になってしまうので、離婚裁判をすると決めたからには、多少高いお金がかかっても早い段階で弁護士を味方につけた方がメリットが大きいといえます。

弁護士に依頼すれば、代理人として裁判所に出席してくれるので、手間を省くことができます。すべての手続きは弁護士が行ってくれるので、精神的負担も大幅に軽減されるでしょう。

口頭弁論期日の通知

離婚訴訟の申立が認められると、第1回口答弁論期日が指定されます。第1回目の口頭弁論が行われるのは、訴状提出から約1ヶ月後です。その後の審理は約1ヶ月に1回のペースで開かれるようになります。

口頭弁論期日の通知は郵送で行われます。この際、被告には訴状の内容に反論できる答弁書が送られるので、第1回口答弁論期日までに提出しましょう。この答弁書を提出しないと、原告側の主張を全部認めたことになってしまいます。

口頭弁論

第1回口答弁論では、離婚問題の争点を整理してから、原告と被告がそれぞれ証拠を提出します。第1回口答弁論で結論が出されることはほとんどないので、たいていの場合は約1ヶ月後の第2回口頭弁論へと進むことになります。この第2回口頭弁論で話がまとまらない場合は、第3回、第4回へと進んでいき、約1〜2ヶ月毎に裁判官が納得するまで裁判が開かれます。

弁護士を代理人としている場合は、口頭弁論に本人が出席する必要はありません。

尋問

最終的に争点が整理されてくると、原告と被告、証人がそれぞれ法廷に出頭する尋問が行われます。尋問では双方の弁護士が法廷に立って質問を行うため、終了するまで数時間ほどかかります。尋問が終わると裁判官から質問があり、これが終われば和解案の提案、もしくは判決が下されることになります。

和解案の提示

尋問が終わると裁判官から判決が下されますが、その前に和解案が提示され、当事者が話し合いによって裁判が終了することもあります。和解は、原告と被告がそれぞれ立場を譲り合って裁判を終了する方法なので、裁判官の和解提案に納得できるなら受け入れてもいいでしょう。

和解が成立すると、和解調書が作成されて離婚成立となります。判決を待つよりも、和解した方が裁判が早く終了することもあるので、早期解決を望むのであれば、和解で裁判を終わらせた方がいいでしょう。和解案に応じるかどうかは自由なので、弁護士と相談して慎重に判断しましょう。

和解となった場合は、和解確定から10日以内に、離婚届と和解調書謄本を役所へ提出する必要があります。必要書類の提出が済めば、離婚手続き完了となります。

判決

尋問が終わってから1〜3ヶ月後に判決が出されます。詳しい判決理由は、後日送られてくる判決書で確認することができます。協議離婚や調停離婚と異なり、離婚裁判では裁判官が最終判断を下すため、どちらか一方が納得できなくても判決に従わなければなりません。

判決後14日以内は控訴期間となるため、判決に納得がいかなかった場合は、この期間中に控訴の申し立てをすることができます。万が一、控訴審でも納得のいく判決が出なかった場合は、最高裁に上告することになります。判決が出てから2週間、被告が何もしなかった場合は、判決が確定して離婚成立となります。一度判決が確定すると、あとで覆すことはできません。

判決で離婚が成立した場合は、離婚成立日から10日以内に離婚届書・戸籍謄本・判決書謄本・確定証明書を役場に提出する必要があります。10日以上経過すると、過料の対象となるので注意しましょう。
ただ実際は判決までいくケースは少なく、和解で解決するケースが多いといえます。

離婚裁判にかかる期間

離婚裁判が始まってから終わるまでは、平均で約1年ほどかかります。ただ、裁判の流れ次第ではさらに長期化することもあるので、その際の経済的負担などを事前に考えておかなければなりません。

離婚裁判の期間は長くて3年、短くても1年近くかかってしまうので、一旦裁判が始まってしまうとかなりの長丁場となります。ただし、決定的な証拠があれば裁判官の事実認定も早まるので、離婚裁判を早期に終わらせることができます。不貞行為を証明する写真やメール、ラブホテルの領収書などがあれば裁判の期間も短くなりますが、これらの決定的な証拠が当事者双方にないなら、離婚裁判の長期化を覚悟した方がいいでしょう。

仮に早い段階で判決が出たとしても、もう一方が高等裁判所に控訴すれば、離婚裁判は長期化してしまいます。離婚するか否かに加えて、慰謝料や財産分与の内容が争われる場合も、離婚裁判の長期化は避けられません。裁判が長期化することを考えて、離婚裁判には相当な覚悟で臨みましょう。

早期に離婚裁判を終わらせたいのであれば、和解提案を受け入れたり、争点をなるべく減らすしかありません。早期に和解できれば、3ヶ月以内の短期間で解決することも可能なので、お互いの負担を最小限に抑えられるでしょう。

離婚裁判を有利に進めよう

離婚裁判の流れを有利に進めたいなら、離婚裁判が得意な弁護士に任せましょう。裁判が終わるまでかなりの長丁場となりますが、弁護士に依頼すれば、その間の労力や精神的負担を最小限に抑えることができます。
離婚裁判を早期に終わらせたいのであれば、和解という解決方法もあります。弁護士と相談しながら、最良の答えを選択しましょう。